「ホテル・バンヴィル・・・てここか〜。ふーん、」

「フランスではHの発音はしない。『オテル』、だ。」
 
「あそ?フランス語って変なの〜。でも、たまにカミュが漏らすフランス語は好きだよ」
 
「?」
 
「最中に耳元で囁かれるとさ、意味も解からない分たまらないんだよねぇ〜v」
 


「な・・!!」

「その時はちゃんと『H』な発音もしなきゃだけどv」にっこり微笑んで恋を送る。


軽く触れていた指が一瞬にして凍傷になりかけたのですぐに謝った。


・・・気を取り直して・・・・

ようやく今夜の宿泊場所であるプチホテルに到着した。

「ミロ、本当にここでよかったのか?普通のホテルよりも幾分窮屈とは思うのだが」

「十分だって!すげぇ素敵な所じゃん」

「・・・・しかし」

「まあ隣室に音が漏れるのは困るけど」


「ミロ!またお前は・・・」



あはは。照れるなよカミュ、と笑った。