「・・・相手との距離が不安を産むとは・・・恋人といえる関係なのかな?」 「え・・・?」 「さっきから上の空だな」 「そんな・・・」 「まあ、本当に大事なら放っておく訳もないが」 「別に、あいつは結構一人で平気ですから」
「それとも、安定を忘れて、一夜の恋に身を投じてみたいとか」
コポコポと、カミュのグラスに赤ワインを満たす。 「中から情熱を満たしたいのなら、これは最高に効くのだよ」 サガはクスクスと微笑みながらワインを口に運ぶ。 「からかわないでください」 「私も酔ったかな。お前と飲むのは妙に気持ちがはやる」
カミュもサガの潤んだ瞳に、警戒とは別の鼓動を感じていた。 「おいで、そろそろ着替えてお前をミロに返さねばな」
『ミロ・・・・』 今頃は・・・怒ってもう眠っているだろうか。それともどこかをまだウロウロとしているのだろうか。 |