そう言っていたのにお前は昨夜早々に泥酔した。
やはりお前はなにも考えてはいないようだ。
 
・・・そんな理由で、翌朝カミュはひとり、カフェで遅い朝食を摂った。
 

『普通のパリが見たと言ってたが、どこに連れて行くべきだろう。』


-カミュといるだけでもう特別だからさ-

昨日のミロの言葉を思い出す・・・。
 
 
『お前と一緒ならどこでもいいのは自分も同じだ』
 


そう告げたらミロはどんな顔をするだろう・・・。

たまに思う。
きっと自分はミロにこの情熱のかけらも本当は伝えてはいない事。
いつもミロが赤の炎を与えてくれるから、自分が熱く語る必要がないのだ・・・。


 
「・・・・アレ?カミュもう食べちゃったの??」

「・・・ああ。お前はきっと起こしても無駄だと思ったからな」


眠そうな顔のまま、ミロがふぁ、とあくびをした。
部屋に戻ると予想通りにミロはまだよく寝ていた。


「・・・ん、じゃあ出先で俺は昼飯食べればいいや。カミュ、どこに行きたい?」


カミュがパリで一番行きたがっていた場所。それは・・・・・


「ふふ、わかった。行く途中においしいランチとスイーツを食べられるお店があるから。そこでお前はお腹を満たせばいい」

 「ホント?じゃあはやく行こうぜ!!なぁ、どこに行くんだ?」

「・・・・この街に来たからには、お前も一度は行くといい」


カミュが観光マップの一部をスッと指差した。

美と歴史が君臨するフランスの国宝、ルーブル美術館だった。