カミュはミロの姿を見つけると、その後に追いついた。
早足で歩くミロの手を掴み振り向かせる。

「お前、あんな態度、失礼とは思わないのか!」

「いきなり他人の会話に割り込む方が失礼ってもんだろ!」

「何を子供じみた事を言ってるんだ!サガは親切でわたし達に解説を・・・」

「判ってないのはお前の方だろ、カミュ!!」

『サガのお前を見る目は...』


黙り込むミロにカミュが口を開いた。


 
「・・・芸術を解さない者は礼儀も解さない、か。おまえがこんなに野蛮な性格だとは知らなかったぞ」

「な・・・に?」


 

変なトコロで鈍いカミュにミロは思わず逆ギレした。

「そんな調子だから俺の事だって解んないんだろう!」

「?何をそんなに怒っている?お前の様に自己中心な者の事など、解かるはずなかろう!」

「だから違うんだよ!俺はサガが・・・」

 

沈黙するミロを、サガに対して単に嫉妬しているのだとカミュは思う。


「分かった、もういい・・・」


そう言い残すとカミュはサガの宿泊しているホテルへとひとり向かうことにした。

残されたミロは1人パリの街で佇んでいた。