「弓道は遠くて60メートル、アーチェリーでも90メートルの距離で競うのだが・・・」
「それを基準に考えると500メートルは神ワザですね」
「よかったなぁ、アイオリア!なら大丈夫じゃねえの?」
「だから言ったではないか、私の占いは百発百中だと。」
「・・・お前ら・・・人事だと思いやがって!!」
周りの勝手な言い草にアイオリアは半ギレです。
「さっさと的になれよ、アイオリア」
「う・・・」
しつこいですが、的は頭の上のリンゴです。
「心配せずともアイオロスの腕は確かだ。もしヤバそうなら俺がたたき落としてやる」
「ホントに?」
「ああ」
シュラの言葉に少し勇気づけられたようです。
「では続きを始めるとするか。では位置につくがよい、アイオロス」
シオン様は相変らずです。
「はい・・・。」
さすがの兄も弟に弓をひく事にためらってる模様です。
「アイオリア、今から全力で弓を射る。だから心配するな」
「・・・うん・・・。」
「少しマズイかもしれませんね」
アイオロスの言葉にムウがつぶやきます。
「何でさ?どんな敵にも、あの弓が当たらなかった試しがないだろ?」
「だからだ。ミロ、サジタリアスの弓を全力で放ったら・・・・」
「うん?」
「もしもの場合はシュラにさえ叩き落とせまい」
神々にさえ通じる事は星矢が実験済です。
「ではゆくぞ、アイオリア」
「わかった、兄さんを信じる」
アイオロスは弓を構えると小宇宙が立ち上ります。そしてギリギリまで矢を引き、次の瞬間・・・
ビュ・・ッ・・ン!!
「?!」
ドスン!!
バンッッ!!
矢はアイオリアの真後ろの木に直撃します。
「アイオリア!大丈夫か?!」
アイオロスが駆け寄ってくるとアイオリアは地面に伏せってました。
「う、うん。何か足元に飛んできたんだけど・・・?何だったんだろ?」
「ああ、お前が無事ならいい。実はほんの少しコースが微妙だったからな、ハハハ」
「・・・・・。」
笑いながら平然と言う兄に弟は返す言葉が見つかりません。
「まあ、よい。次のかくし芸に移るとする。アイオロス、下がってよいぞ。素晴らしい腕前だ。
戦いの時には期待しておるぞ。」
「はい、ありがとうございます。」
アイオロスはアイオリアを連れその場を引き上げました。
「ちぇ、面白い事になると思ったのによ」
蟹は不満そうです。
「でもさっきの何だったのかなぁ?どっから何が飛んできたんだろ?カミュ判ったか?」
「いや、別のとこを見ていたから・・・」
ミロ達の背後に立っている彼は思います。
『これでアイオリアに何かあったら、俺の占いも当たってしまう。そんなのゴメンだ!!』
「・・・・カノン、お前が邪魔をしたのだろう」
「!! サ、サガ!」
いつの間にか隣にいる兄にカノンは飛び上がりそうになります。
「私に分からないとでも思ったのか?」
「・・・俺は別にっ・・・」
「まあいい。だが、お前に私の邪魔はさせないからな」
フフと笑う兄を見てカノンは凍りつきそうになりつつ思うのでした。
『それはこっちのセリフだ!!』
「では次は・・・アフロディーテか。何を見せてくれるのか楽しみにしているぞ」
「はい、お任せを」
優雅な仕草でアフロディーテは前へ出て行きます。
「カミュ、アフロってさ、多趣味だろ?何するのかなぁ・・・」
「確かにな。夏休みの自由研究も彼から元ネタをもらったのだし」
「あ〜もう、あんな事コリゴリだね」
書いてる天乃もコリゴリです。
「では、私のかくし芸を披露します」
そう言ってアフロディーテはニッコリ微笑むのでした。
|