「わたくしのかくし芸ですが・・・最近、薔薇作りの他にハーブを栽培しておりまして、出来たのがコレです。」
そう言うとアフロディーテは教皇に手のひらの葉を差し出しました。
「ほお。ハーブにしては珍しい香りであるな。どういう効能があるのだ?」
さすが山岳民族出身者、野草には強いです。
「まだ開発中の新種のハーブです。しかし、このような効能を作り出せるのは、わたくしだけでしょう。」
「それは一体?」
「恋愛作用、いわゆるホレ薬というモノです。しかし被験者がなかなか見つからないので、難しいのですが・・・」
「マジ?!じゃあオレがなる!!」
「何を言うかと思えば、相変らず頭が逆回転だな。よいかミロ、オマエが飲んでも意味がなかろう。
こういうのは相手に飲ませねば。」
シャカがすかさず突っ込みます。
「んじゃカミュ!!」
「お断りだ」
「え〜!!そんな、オマエ、アフロの大事な実験がかかってるんだぞ!」
大事なのはお前だろーよ、と周囲は心の中でつぶやきます。
「それでは私の作ったものを差し上げましょうか?」
にっこりしながら、ムウが言います。
「ムウ、お前もそのようなモノを作っておるのか?」
「はい、実は私も同じ効能のモノが作り出せないかと試行錯誤中なのです。が、私も被験者が見つからず完全ではないのです」
「所詮お主の野草はショック療法であろう、わたしのハーブはもっと高尚なモノなのだ」
そんな嫌味を言ってるから薔薇っ子はあの世に舞い戻されるのです。
「ねえカミュはどっちがいい?」
「どっちもゴメンだ!!」
確かにどっちも怪しいことだけは間違いありません。なにせこの2人の作ったものです。
「ふむ・・・しかし効能が判らぬ事にはかくし芸とは言えぬしのぉ・・・よし、ではコレはわたしが預かるとしよう。ムウ、お前の実験途中のモノも後で持って参れ」
「はい、かしこまりました」
「はい、教皇」
2人は微笑みながらもアフロディーテとムウは互いに火花を散らすのでした。
『コレをアヤツに飲ませればどういう反応を示すか・・・フフフ』
そう思いながら遠い東の国に思いを馳せるのでした。丁度その頃、東に居座る当人といえば。
「何だか今悪寒がしたが・・・気のせいかのぉ」
かくし芸サガ編につづく。(もういいかげんにしたい。ええ、私が(泣))
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