世間は嬉し楽しの夏休みです。
しかし遊んでばかりもいられません。それは彼らも同じこと・・・
「あーあ、何で俺たちにまで夏休みの宿題がでんだよ!そんなの世間一般のガキの話だろ!!」
訓練からの帰り道、それはミロの第一声から始まりました。
「仕方ないですよ。とりあえずその世間一般では私たちも一応、子供なんですから」
ムウが答えます。
「どっから手を付けるべきかなぁ・・・こんなにいっぱい、1人じゃムリだ」
とリアはため息交じりで落ち込みます。
「ムリなのはキミとミロぐらいではないのかね?」
シャカの突っ込みは的確です。
「何だとーっ!」
「何でオレまで数に入れんだよ!」
「2人とも少しでも早く手を付けるんだぞ」
カミュがミロとリアを制します。
「そうですよ、まず・・・「古典ギリシアの文法」「神話の感想文」「世界の国の国旗と地図の暗記」まあ何の神話でもいいそうですが」
ムウがたたみ掛けるように口を開きます。
「それから・・・「自由研究」「絵画1枚工作1つ」「聖域の生き物研究」・・・フン、なんと子供だましな宿題か。教皇も毎回物好きな事よ」
シャカも呆れたように呟きます。
「そして・・・「四季の星座位置の暗記」「ドリル1冊」「毎日の気象と日記」今から帰ってスグに取り掛かることだな。」
続けてカミュがミロに言います。
「毎年毎年、最後の日になって泣きついてきて、今年は知らないぞ!」
「そんな〜、こんな時こそ友達同士で助けあうべきだろー」
「私とキミの間に友情があるとは初耳だ」
シャカがミロに言い放ちます。
「こんなもの、みんなでした方がてっとり早いじゃん!」
リアもミロに賛同です。
「そんな事してバレたらどうする!お前達、国外まで飛ばされたいのか?!」
カミュがちゃぶ台返しの事を言います。いくらゴールドといえども、そんな刑はゴメンです。ところが。
「皆でねえ・・・ふ・・・む、確かに一理あります。」
ムウが重い口を開きました。
「え・・・?」
「分担する話ですよ。暗記ものや日記はムリですが、各々1課題づつ手分けすれば早いですよね」
「え!!マジ!!ほらみろー3対2で分担決定だー!!」
ミロは嬉々として対2人に言います。
「本気か!ムウ!」
カミュは信じられないという顔です。
「ムウ、君は上手くやれる自信があるのだな?ならばこのシャカも手を貸そう。カミュ。なにせギリシャは古代から民主国家だ、仕方あるまい。」
何だかんだ言いつつも乙女も面倒は嫌いなのです。
「・・・・・・。」
カミュは1人呆れて物が言えません。
そして彼らの夏休みは始まるのでした。
続く。
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