夏休み子供劇場2005 -その1-

世間は嬉し楽しの夏休みです。
しかし遊んでばかりもいられません。それは彼らも同じこと・・・

「あーあ、何で俺たちにまで夏休みの宿題がでんだよ!そんなの世間一般のガキの話だろ!!」

訓練からの帰り道、それはミロの第一声から始まりました。

「仕方ないですよ。とりあえずその世間一般では私たちも一応、子供なんですから」

ムウが答えます。

「どっから手を付けるべきかなぁ・・・こんなにいっぱい、1人じゃムリだ」

とリアはため息交じりで落ち込みます。

「ムリなのはキミとミロぐらいではないのかね?」

シャカの突っ込みは的確です。

「何だとーっ!」

「何でオレまで数に入れんだよ!」

「2人とも少しでも早く手を付けるんだぞ」

カミュがミロとリアを制します。

「そうですよ、まず・・・「古典ギリシアの文法」「神話の感想文」「世界の国の国旗と地図の暗記」まあ何の神話でもいいそうですが」

ムウがたたみ掛けるように口を開きます。

「それから・・・「自由研究」「絵画1枚工作1つ」「聖域の生き物研究」・・・フン、なんと子供だましな宿題か。教皇も毎回物好きな事よ」

シャカも呆れたように呟きます。

「そして・・・「四季の星座位置の暗記」「ドリル1冊」「毎日の気象と日記」今から帰ってスグに取り掛かることだな。」

続けてカミュがミロに言います。

「毎年毎年、最後の日になって泣きついてきて、今年は知らないぞ!」

「そんな〜、こんな時こそ友達同士で助けあうべきだろー」

「私とキミの間に友情があるとは初耳だ」

シャカがミロに言い放ちます。

「こんなもの、みんなでした方がてっとり早いじゃん!」

リアもミロに賛同です。

「そんな事してバレたらどうする!お前達、国外まで飛ばされたいのか?!」

カミュがちゃぶ台返しの事を言います。いくらゴールドといえども、そんな刑はゴメンです。ところが。

「皆でねえ・・・ふ・・・む、確かに一理あります。」

ムウが重い口を開きました。

「え・・・?」

「分担する話ですよ。暗記ものや日記はムリですが、各々1課題づつ手分けすれば早いですよね」

「え!!マジ!!ほらみろー3対2で分担決定だー!!」

ミロは嬉々として対2人に言います。

「本気か!ムウ!」

カミュは信じられないという顔です。

「ムウ、君は上手くやれる自信があるのだな?ならばこのシャカも手を貸そう。カミュ。なにせギリシャは古代から民主国家だ、仕方あるまい。」

何だかんだ言いつつも乙女も面倒は嫌いなのです。

「・・・・・・。」

カミュは1人呆れて物が言えません。

そして彼らの夏休みは始まるのでした。

続く。