今日は小学生の運命の日、8/31日です。
当然年少組の宿題もかかっている日です。終わらなければ、というより事実がバレたら、ちゃぶ台返しの刑スペシャルが待っています。
「さて、明日は世にいう始業式です。当然、宿題提出日です。皆さん自分の割り当ての分を出してください。」
ムウが言います。
「まず私の『図画工作計2点』ですが、終わらせましたよ。全員分で10点」
「おおーっっ!!」
一同から歓声が上がります。
「では、まずコレはシャカの分、こっちはカミュ。」
「フム、さすがに私の事を考慮した作品だ。礼をいうぞ」
「ありがとう、ムウ」
「いいえ、聖衣の修復に比べれば・・・あ、これはアイオリアとミロの分です」
「あ、サンキュー」
「なあ、コレ出しても大丈夫かな?」
アイオリアは渡された作品をみて少し不安になります。何しろシオン様がゴミのようだと評価したシロモノです。勿論そんな事は言えません。
「貴方ならではの芸風がよく出ていると思いますよ。ほらダイナミックな感じのところなんか!」
「そっかぁ〜、ありがとうムウ」
「いいんですよ〜、そういっていただけると私も作った甲斐もあるというものです」
獅子、羊にすっかり丸め込まれています。
「このシャカ担当の『ドリル』は先日配ったはずだ。皆書き写したであろう?」
シャカが言います。
「ああ、助かったぞ」
「ありがとなー」
「ありがとう、シャカ」
「くだらない問題集だったが。」
人により違う答えを書いてあるというのは勿論言えません。
「私の『古典ギリシアの文法』も全て終わらせてある。帰って書き写すといい」
「お疲れ様でしたね、カミュ」
「本当にな、ギリシャ人が2人もいてこのザマとは。」
「仕方ありませんよ。何せ2人は国語(現代ギリシャ語)の文法も微妙なんですし」
ムウとシャカの突っ込みに2人は返す言葉もありません。
「悪かったよ。」
「ごめんな〜カミュ」
「もういいから。次にいこう」
カミュはすっかり疲れている模様です。
「次は俺・・・『聖域の生き物研究』だけど、こんなんでいいかな〜」
アイオリアが調べたレポートを出します。
「一体何を調べたんです?」
「まあ、色々と。川の魚とか、森の動物や昆虫、あとは海の鳥とか・・・。どうかなぁ?」
「フム。アイオリア、キミにしては上出来であろうな。では帰って清書するとしよう。ところでコレは1人で調べたのかね?」
「う・・・実は兄さんに手伝ってもらったんだ・・・。」
「それを聞いて安堵したぞ。これで安心して提出できるというもの」
「ホントにあなた1人ではどうなる事かと思いましたよ」
「え・・・・・?」
アイオリアの返答に一同は胸をなでおろします。
「さて、ミロ。貴方割り当ての『自由研究』ですが。どうなりました?」
「・・・・・。」
「まさか手をつけてないのではなかろうな?一体どうなってるのだね、カミュ?」
「何故私に聞く?」
「キミはミロの保護者であろう?」
「な、なんで私が!!」
その場で否定するのはカミュだけです。
「ミロ、お前何してんたんだよ!」
「一応やった。」
「え?お前何の研究してたんだ?」
「けど、俺1人じゃ無理な研究なんだよ。」
「どういう事なのかね?」
「実はさぁ・・。」
その様子を物陰から見ていたのは双子の片割れカノンです。
「あのガキども・・・。サガの言うとおりだな」
そのガキどもに散々振り回されてきたカノンです。大人気ないと言われようと、ここは日頃の恨みを返す千載一遇のチャンスです。
「明日の始業式が楽しみだな、フフフ・・・。」
そうつぶやくとその場を立ち去っていきました。一生懸命話込んでいる彼らはカノンの気配に気づきません。
「成る程な・・・。そういう事か」
「ふーん。」
「まあ確かにキミ1人では無理な話だな。」
「でも、着眼点はすごくいいと思いますよ。それに私達が揃えば何とかなるかもしれません」
「え、じゃあこの研究でオッケーなのか?」
「ああ、構わない」
「俺もいい!」
「そうだな」
「協力しましょう」
そういって5人は何やら始めるのでした。
はたして明日は元気に登校できるのか?年少組!!(笑)
波乱の最終回へと続く。
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