「ふむ・・・『計算ドリル』か。毎度の事ながら程度の低い問題集だな」
パラパラと目を閉じて見ているのは乙女宮の主です。
「まあ、今年はムウとカミュがいるので楽ではあるが・・・問題な奴が2名ほど混じってるので結局プラスマイナス0だな。」
シャカ、さすが計算高い・・いえ、計算が出来る男です。
「なになに・・・?」
『問題1』宮の塀(へい)を塗り替えるとき、Aの人は6時間かかり、Bの人は8時間かかるそうです。
2人が一緒に仕事をはじめたら、何時間かかりますか。
「おかしな問題だな。大体現実に平均時間なぞ有り得ないではないか。大体Bより効率の良い奴を連れてくるべきであろう。それに食事や休憩は入れぬのか?この国の労働基準はどうなのだ?」
こんな事を言ってる子供って・・・と突っ込みたいです。
「まあよい。これはあくまで世間一般の子供に合わせねばいかんのだろうな。」
そのとうりです。
「しかし問題児2名は違う答えをするであろうな」
は?
「よし、奴らの分はそれなりの答えを用意してやろう、ウム、我ながら名案だ」
何だかもの凄く嫌な予感がします。
そして一方こちらは白羊宮です。
トントン
カンカン
「ふう。しかし5人分となると結構考えますねぇ。・・・しかし残りの分は何を作るべきなのか・・・」
そこへ大羊が様子を見に来ました。
「おお、ムウ。宿題か?」
「はい。工作でございます。」
「おや?このゴミは何なのだ?」
「え、それは・・・えっと・・あ、アイオリアが作ったものです!」
「ほお?アイオリアが?」
「そうです。少し見てほしいと言われたので。」
「なるほど、お前は面倒見がよいのう。」
シオン様、愛弟子を激しく誤解している模様です。
「友人の務めですから。」
「そうかそうか、頑張るのだぞ」
そうしてニコニコしながら大羊は去って行きました。
「ふう。危なかったですね。しかしこのゴミがリアの作品で納得されるとは・・・。」
「なら図画も、楽勝ですね」
1人にっこり微笑むムウでした。
続く。
今日で7月も終わりです。宿題提出まであと1ヶ月。
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