夏休み子供劇場2005 -その4-

「ふむ・・・『計算ドリル』か。毎度の事ながら程度の低い問題集だな」

パラパラと目を閉じて見ているのは乙女宮の主です。

「まあ、今年はムウとカミュがいるので楽ではあるが・・・問題な奴が2名ほど混じってるので結局プラスマイナス0だな。」

シャカ、さすが計算高い・・いえ、計算が出来る男です。

「なになに・・・?」

『問題1』宮の塀(へい)を塗り替えるとき、Aの人は6時間かかり、Bの人は8時間かかるそうです。
2人が一緒に仕事をはじめたら、何時間かかりますか。


「おかしな問題だな。大体現実に平均時間なぞ有り得ないではないか。大体Bより効率の良い奴を連れてくるべきであろう。それに食事や休憩は入れぬのか?この国の労働基準はどうなのだ?」

こんな事を言ってる子供って・・・と突っ込みたいです。

「まあよい。これはあくまで世間一般の子供に合わせねばいかんのだろうな。」

そのとうりです。

「しかし問題児2名は違う答えをするであろうな」

は?

「よし、奴らの分はそれなりの答えを用意してやろう、ウム、我ながら名案だ」

何だかもの凄く嫌な予感がします。

そして一方こちらは白羊宮です。

トントン

カンカン

「ふう。しかし5人分となると結構考えますねぇ。・・・しかし残りの分は何を作るべきなのか・・・」

そこへ大羊が様子を見に来ました。

「おお、ムウ。宿題か?」

「はい。工作でございます。」

「おや?このゴミは何なのだ?」

「え、それは・・・えっと・・あ、アイオリアが作ったものです!」

「ほお?アイオリアが?」

「そうです。少し見てほしいと言われたので。」

「なるほど、お前は面倒見がよいのう。」

シオン様、愛弟子を激しく誤解している模様です。

「友人の務めですから。」

「そうかそうか、頑張るのだぞ」

そうしてニコニコしながら大羊は去って行きました。

「ふう。危なかったですね。しかしこのゴミがリアの作品で納得されるとは・・・。」

「なら図画も、楽勝ですね」

1人にっこり微笑むムウでした。

続く。

今日で7月も終わりです。宿題提出まであと1ヶ月。