夏休み子供劇場2005 -その6-(花火大会:後編)

「さて、皆の者集まったか?」

「はーい。」

「では、これより聖域花火大会を始める!」

ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!

「おおーーーーーーっっ!!」

一斉に歓声が上がります。

「うわーっ!すげーーーーーっ!!」

「なあなあ、カミュ!すごいよな!」

「ああ。」

「それにその格好もよく似合うよvかわいいなぁ〜vvv」

ミロの褒め言葉にどういう反応をしていいかカミュには判りません。

「そうだろう!何せ私が腕によりをかけて着せたのだからな、フフン。」

アフロディーテは自信満々です。

「うーん確かによく似合うぞ、カミュ」

シュラが後押ししたように言います。

「そうだな、そうしているとそこいらの女の子よりカワイイぞ」

アルデバランまでがうなずきます。

「だろだろ?やっぱりカミュは何を着せても似合うよvvv」

ミロは自慢げです。

「・・・・・・・。」

皆の反応にカミュは何も言えなくなってしまいました。

ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

パンパンパン!!!ドドーーーーーーーーーーーン!!

「ねえねえ、兄さん。金魚すくいしようよ」

「ああ。」

早速、兄弟で始めます。

バチャ!

「あ!う・・・、少し破れちゃった」

ビチャ!

「うーん、結構難しいもんなんだなぁ、金魚すくいって」

「あーーーーーーっ!もうムカツク!」

「うーーーむ、小宇宙の燃やし方が足りないのか・・・」

兄よ、それは関係ないと思います。そこへムウとシャカがやって来ました。

「なかなかひどい有様ですね・・・。お2人とも」

「ふむ、まだすくえないのかね?一体何回挑戦したのだ?」

「うるさいな!これ難しいんだぜ、なら2人ともやってみろよ!!」

アイオリア、すでにキレぎみです。

「では。」

「すくえばよいのであろう」

ピチャ。パチャ。ひょいひょいひょい。パチャ。ピチピチピチ。

「え・・・・。」

「お前達・・・。」

ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!

「こんなものですかね?」

「うむ、思ったより楽しめたな」

2人の持つお椀には山盛りの金魚が見えます。

「お〜お。スゲ〜なお前ら。」

やって来たのはデスです。

「俺もやろっと。1枚くれ」

ひょいひょいひょい。ピチャ、パチャ、ピチピチ。

「へー、上手いもんだな」

アイオロス感心してます。

「コツがあんだよ、コレってさ。水平に入れて金魚が来るのを待つ。でそのまま横にすくい上げるってな訳だ」

「ふうーん、すごいな」

リアは真剣に聞いてます。が。

「でも現実の魚をすくうのは難しそうですよねぇ、クスクス」

「そうだな。魚は気ままにあちらこちらへ泳いでいきそうだ、蟹には目もくれずにな」

バリッッ!

「あっ!」

思わず声を上げたのはアイオリアです。

「おい、破れてるぞ。デスマスク?どうした?おい?!」

ロスの呼びかけにも反応しません。

ムウとシャカからの思いもしない突っ込みにデスは固まってしまいました。

ドドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

「ったく、教皇もスキだよなぁ・・・まあ俺的にはイイけどよ。お前も大変だよなぁ、サガ」

「うるさい。」

「こんな時ぐらい無礼講だろ。まあ、お前も飲めよ」

「お前はいつも無礼講だろう!!カノン!!」

「そうだっけ?でもお前が俺に相談なんて珍しいじゃないか?一体何だよ?」

たまに優位にたつと偉そうなカノンです。

「ああ・・・実はな子供達の事なんだが・・・。」

「ストーォッップ!!ストップ!ストップ!それ以上は聞きたくない」

「え?」

「俺、ガキは嫌いなんだよ。特にココのジャリどもは。」

カノンは思い返します。ココのジャリどもに巻きこまれ何回ヒドイ目にあった事か・・・。

「そう言うな。ただ少し監視してもらいたいだけだ。」

「監視?何の為?」

「どうも挙動不審でな。何かいつもと違うのだ。」

「例えば?」

「夏休みの宿題を真面目にしているらしい。」

「はあ?それの何が悪いんだよ?!」

「いつもしない奴がしていると言ってるのだ!」

「ああ。成る程ね。」

「あのミロとアイオリアが真面目に宿題をしているという。」

サガ、2人をまるで信用していません。そんな事だから将来スカニーとライトニングを受けるのです。

「で、俺に様子をみろって訳か。自分でしろよ、んな事。」

「私は忙しい。何せあの教皇の面倒を見ねばならんしな(怒)」

ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!

「ふう、皆楽しんでる様子で私はヒジョーに満足だ!」

ドーーーーーーーーーーーーーンッ!!
パチパチパチ・・・

「アイツがおればもっと楽しい事であろうな・・・。」

「それはワシの事か?」

「ど、童虎!!なんでココに!?」

「ははは、ビックリさせようと思っただけじゃ!五老峰には白銀を数名配置しておる(笑)」

「そうなのか?ならよいが。」

よくはないと思います。

「花火を山ほど送ってほしいと言われ何事かと思えば。ズルイぞ、シオン!こんな楽しい企画にワシを呼ばんとは」

「悪かったな、・・・おや?ソレは一体?」

「中国で祭りといえばコレじゃ!」

「何だ?コレは?」

「まあ見ておれ」

童虎は火を付けると放り投げました。

パンパンパン!!!!!バチバチ!!!!!パパパパン!!!!

「うぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!」

「何だ何だ!!!!」

皆一斉に逃げ出します。

「ほお、面白いな。どれ私にもやらせよ」

大羊、童虎が一緒のためにテンション上がる一方です。

「爆竹というのじゃ。ついでにロケット花火とネズミ花火も持ってきたぞ!」

「おお!さすがだ童虎!訓練には持ってこいよ!!」

ヒューン!!ヒューン!!パンパンパンパン!!!!ヒューン!

パンパンパンパン!!!

「うげっ!何だよあれ!!」

もう色んなものが四方八方に乱れ飛びです。

「カミュ!水出せよ!水!!お前アクエリアスだろ!!俺の技じゃ止めれねーよ!」

ミロがカミュに懇願します。

「私の技は消火器とは違うぞ、逃げるが何とかという諺も時には必要だ」

「マジかよ〜!!げ!こっち来た!!」

「ほらほら、ゴールドのくせしてさっさと避けぬか!」

「わはははははっっ!楽しいのお!久々に盛り上がるぞ、こうしていると昔を思い出す!!」

ジジイどもが過去にどんなコトをしてきたのか考えると怖いです。

こうして夜中じゅう馬鹿騒ぎは続いたのでした。



続く。

追記:後日サガとロスが後始末に回ったのは言うまでもありません。

「あのジジイどもめ・・・そのうち見てるがいい・・・。」

サガが少し黒くなったのはジジイどものせいかもしれません。


*よい子の皆さんは決してマネをしないでください。(しねーよ)