暑い午後の昼下がりミロとカミュは街の博物館へやって来ました。
勿論夏休みの宿題である『自由研究』の為です。
当然カミュはミロの付き添いです。
「カミュ、アイス食べようよー」
「宿題を済ませたらな」
「じゃあ海に行こうよー」
「研究内容が決まったらな」
「・・・はぁ、世の子供らに同情するぜ。」
ミロよ人に同情してる場合ではありません。
博物館に2人が入るとあまり人はいませんでした。
「うへー、貸しきり状態かよ、ま、こんな石ころみてもつまんないよなぁ」
歴史的遺産もミロには石ころらしいです。
「で、何を研究する?」
「どれでもいいよ、だってどれも解んないし、カミュ決めていいよ」
「ミロス島からはミロのヴィーナスだって発見されてるだろ」
「ミロ(俺)のヴィーナスはカミュだけだよ」
そんなセリフを素で返すあたり、やはり彼もフツーの子供ではありません。
「そうだ!じゃあカミュを研究する!」
そのセリフにカミュは絶句です。が我に返ります。
「ば、バカじゃないのか!お前!!」
そのバカがいずれ有言実行するなど、まだカミュは知る由もありません。
「わーったよ。じゃあ聞くけどカミュは何の研究をするつもりだったのさ?」
「わたしは・・せっかくだからオーロラの研究でもしようかと思った」
「ふーん、じゃまずソレ決定ね」
「え・・でもお前判らないだろ、見たことだってないのに」
「じゃ見せてよ、カミュ作れるんだろ」
「・・・・・ダメだ」
「どうしてさ?」
聖闘士に1度みたワザは通用しない・・・。それが必殺技ならなおさらです。
「もういい。わたしは自分でやるから、お前は自分の分をまずやれ」
「えーでもそれじゃ悪いもん」
「事がバレる方が悪いだろう!!」
「おや?どうした?こんなとこで2人仲良くデートか?」
声の主はまさにヴィーナス、アフロディーテです。
「わっ!何だよ?!アフロなんでこんなトコに??」
「相変らず失礼なジャリだな。私はココにはよく来るのだ。綺麗なものを観にね」
「ふーん。俺らは宿題の自由研究なんだ。でもこれがなかなか難しくてさぁ」
「ああ、私も2年前は同じ身の上だった」
「今は違うのか?大きくなったらもう宿題ないんだろ?」
「ないどころか増える一方だ。大きくなるにつれ宿題よりも解決不能な問題だらけさ」
そういうアフロディーテも未だ世間一般では子供なのですが・・・。
しかしその言葉に2人は黙りこんでしまいました。
まあ出来る事も増えるのだから、そんなに落ち込むな。楽しみも増えるのだし」
「ホントに?どんな?」
「そうだな・・例えば・・」
アフロディーテがボソボソと何事かをミロの耳に囁きました。
「マジ?!それホント?」
「ああ、そうだ。研究なら2人で私の薔薇でも見にくるか?お茶ぐらい出すぞ」
「うん、行く行く!ありがとう」
何だかんだいいつつ面倒見がいいアフロディーテです。そして奥の展示部屋へ去って行きました。
「なあ、カミュ。今より難しい問題なんて俺解けるのかなぁ・・・。」
「世の中には絶対解けない問題もあると、わたしは思う。」
「じゃあ・・・」
「でも宿題は解くものだ」
「・・・ハイ・・。」
間髪いれないカミュの言葉にミロは頷くしかありませんでした。
続く。
頑張れミロ!今日で8月も半分だ!!宿題提出まであと半月。
以下がアフロが囁いた内容です。
「大きくなればカミュともっとベタベタ出来るのだぞvチューだって、それ以上の事だって・・・クスクス」
『チューは嬉しいけど、それ以上の事って何だろう・・・。』
ミロは考えます。
お子様にはまだ解からない模様です。
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